『絵を見る技術』から考える名画・ふまけん

『絵を見る技術』(著:秋田麻早子/発行:朝日出版社)を読んだ。

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今まで美術館に行ってもただボンヤリと絵画の前に突っ立っているだけだったわたしにとって、“絵画の見方”を教えてくれたこの本は目から鱗の連続だった。

たとえば、今まで「ひまわりの絵だな~」としか思っていなかったゴッホ『ひまわり』が、本を読んだ今は「テーブルのラインは一見適当に引かれているように見えるけど、実は緻密に計算された結果なのか(ラバットメント・パターン/215頁)。背景が水色なのは、ひまわりの色である橙色の補色と近い色にすることでバランスを取りたかったからなのかも。それから、お花をこの配置にしたのは…」と見れば見る程様々な考えが浮かんでくる。本を読む前と読んだ後では同じ絵画を見ても全くの別物に見えるの、分かりやすく「おれは知識を得たぞーッ」て感じがしてむちゃくちゃ楽しい。

 

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フィンセント・ファン・ゴッホ『ひまわり』

 

名画とダブルフォーカルポイント

「絵を見る技術」では、絵画を理解するためにはどのように観察すればよいのか、観察するためのスキーム(見るための枠組み)について書かれている。フォーカルポイント(絵の主役)の探し方、画面内の経路の探し方、バランスの見方、絵具と色の秘密、構図と比例、等…。

この中で個人的に特に面白いと思ったのが、一つの絵画に二つのフォーカルポイントを設ける“ダブルフォーカルポイント”についての言及だった。(58頁)絵画ではフォーカルポイントを二つ設ける場合、サイズや明暗差等様々な要素を2つに割り振ってトータルで釣り合うよう周到な計画をするらしい。たとえば、セザンヌ『カード遊び』。左右の人物はお互いのポーズや拳の形が相似形を成している。ただ、持っているカードの明暗・二人の洋服の明暗はそれぞれテレコ。帽子の縁のカーブも上向きと下向き…等、様々な要素が対になっている。

 

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ポール・セザンヌ『カード遊びをする人々』

 …って、こういうの知ってる。ふまけんで見たやつだ!(進○ゼミ)

 

ダブルフォーカルポイントとふまけん 

ふうまちゃんは身長177cm、ケンティは身長175cmと身長がほぼ同じ。(※身長は諸説有。ただし、何れにせよ身長差2cmとの噂)ジャニーズアイドルとしての生誕日である入所日もふうまちゃん2008年4月27日、ケンティ2008年4月20日とほぼ同時期。ちなみにお誕生日も近くてふうまちゃん3月7日、ケンティ3月13日。(ただしケンティの方が1年早い)

アイドルとしてのキャラクターはリア恋アイドルふうまちゃん、ラブホリ先輩ケンティ、と真逆。パーソナルカラーもふうまちゃんはブルーベース、ケンティはイエローベースと反対。(パーソナルカラーは素人判断なので、違っていたらSexy Sorry。個人的にはふうまちゃんがサマー、ケンティはオータムだと踏んでいる)また、ふまけんと言えば背中合わせに定評のあるシンメだが、これはお互い持っているオーラが正反対かつ同じ程度の強さだからこその魅力ではないかと思う。

このように、ふまけんは自身が持っている様々な要素を天秤にかけるとちょうどぴったりトータルで釣り合う=名画におけるダブルフォーカルポイントのような存在だと言える。

 

余談1:ダブルフォーカルポイントな名画の少クラ出演妄想

『カード遊び』のお二方は手堅く青春アミーゴで。また、「絵を見る技術」ではダブルフォーカルポイントな名画の例として『風神雷神図』にも触れられていたが(58頁)、風神雷神様におかれましては是非ともふまけんのElectric Shockをご披露頂けますと幸甚に存じます。

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俵屋宗達風神雷神図屏風

(背景にゴールドを背負うシンメ、っょぃ…) 

 

名画ふまけんの事例(1):anan「相性の化学反応」表紙ふまけん

では、実際に風神雷神の如きふまけん渾身の名画を観察する。お手元の冊子をご覧ください。

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(公式url を埋め込みしてみたけどふまけん表紙見えない…?でも、発売初日に重版決定したanan幻の2165号「相性の化学反応」、どうせ皆さま十冊や二十冊お持ちかと存じますのでお手元の資料をご覧ください)

 

ふうまちゃんとケンティ、二人は元々背格好が似ているが、このふまけんは髪型も一緒、髪色も一緒、体型もいつも以上に合わせてきており“双子”感が強い。また、くちびるに注目してみると、元々ふうまちゃんのくちびるはケンティよりもふっくらと厚みのあるデザインだが、その分ケンティよりもリップカラーを薄くすることでバランスを取っている。(キモオタ仕草だと思いつつそれぞれの下唇色をペイントで抽出したが、ふうまちゃんはこれ(R236 G180 U203)でケンティがこれ(R219 G101 U120)※注:はてな初心者故、指定の文字色にする方法が分かりませんでした。申し訳ありませんが表示されている文字色はイメージです、無念…)

 ただ、衣装の色は真逆で、ふうまちゃんが白色、ケンティが黒色。 胸の露出も対照的で、ふうまちゃんがボタンをガッツリ開けて鳩尾まで深く出しているのに対して、ケンティは首までしか見えない。(ボタン自体は空いているが、ふうまちゃんがケンティの首に手を回してさり気なく隠すことで“対”を成立させているってとこがこれまた憎い演出) 

ポージングにも注目してみると、ふうまちゃんの頭の位置がケンティよりも拳ひとつ分くらい上にある。これだけだとふうまちゃんの方が強い印象になりそうだが、ケンティの右手がふうまちゃんの右手の上側に置かれていることや、ケンティの口角がふうまちゃんの口角よりも上向きになっている…などの要素があるため、トータルで見るとちょうど二人の要素が釣り合っているように見える。観察をすればするほど、このananふまけんはダブルフォーカルポイントを高い精度で成立させるために細部までかなり細やかに作り込まれてあることが分かる。

 

また、名画には画面の角に目線がいかないような工夫がされているらしい。(67頁)何故なら、四角い画面には何も描かれていなくても目の注意を引きつける引力が備わっているからだ。見る人の視線が中心がから外れ角に吸い寄せられ、そのまま画枠の外に出て行ってしまわないように、角の部分を回避する描写が見られるとのこと。

さてananふまけんに目を戻すと、右上には黒太字で「中島健人菊池風磨」、右下には白太字で「相性の化学反応」の文字。強いメッセージ性のある文言が太字で書かれているため、視線が画枠の外に出ることはない。また、右下・右上の文言はそれぞれサイズが小さめだが、右下から右上に向かってまるでくの字のようにケンティの右足と右手が配置されており、視線が角に向かないよう誘導されている。雑誌に掲載された写真を見る時、つい、煽り文などの文字で隠れた部分が一切ないむき出しのアイドルが見たい…と思ってしまうことがあったが、ananふまけんはこうした文字があってこその完成された名画だったのだ。いや~ananさん天才か?信頼しかないんだよ、マジで。ご発売頂きました2019年度版SexyZoneカレンダーも毎日幸せな気持ちで眺めさせて頂いております。心よりお礼申し上げます。

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名画ふまけんは他にもある

ふまけんは対極のOne-To-Oneプラマイ0な“対”の存在なので、同じ画面上にいるだけで質の高いダブルフォーカルポイントとなりやすい。つまり、ふまけんはすぐ名画になる。お手元のクリアファイルをご覧ください。

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セブンイレブンファミリーマート・ローソンにてガルボ2個以上を購入するとふまけんクリアファイルがプレゼントされた、充実した福利厚生を実感した2019年春の企画。(しかもデザインがコンビニごとに3種類有り!)これもクリアファイルの紹介urlが分からなかったが、一生分のクリアファイルをgetされたであろう皆さまにおかれましては、お手元の資料をご覧ください)

 

名画ふまけんの事例(2):ガルボふまけん

二人とも同じ白色のシャツを着ている。髪型も似ていて(二人ともさらさらストレート)、背格好も同じくらいなのでパッと見た時の印象はまさしく“双子”。ただ、身長差の分ふうまちゃんの方が頭の位置が若干高め。髪色はケンティの黒髪に対し、ふうまちゃんは明るい茶色(ただし根本は暗い)。ポージングは①ケンティ:片手を顔の近くに持ってきている、ふうまちゃん:両手ともおろしている(ファミリーマートver.とセブンイレブンver.)、②ケンティ:両手とも見せている、ふうまちゃん:片手を見せている(ローソンver.)といずれにしてもケンティの方が手を見せている=動きがある。ふうまちゃんの方が少し身長が高い分、髪色やポージングで細やかに微調整してそれぞれの持つ要素がちょうどトータルで釣り合うようにしていると考えられる。

なお、フォーカルポイントの背景には光輪が書かれることがあるらしい。(48頁・122頁)

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サン・ヴィターレ聖堂のモザイク画『ユスティニアヌス帝と随臣』

(フォーカルポイントである中央のスティニアヌス帝には光輪がある)

 

ということでガルボふまけんに目を戻すと、あ、ある…光輪!やたら大きい気がするけど、ファミリーマートver.はオーソドックスなゴールドの光輪、ローソンver.はチョコレートを意識してかブラウンの光輪が描かれている。(セブンイレブンver.はちょっと変形した光輪…光輪?)ガルボふまけんがわたしの心をぎゅっと掴んで離さず、尊く拝みたい気持ちになるのは、光輪を用いることでフォーカルポイントであるふまけんを強調すると共に神々しさをプラスさせているからかもしれない。

 

知識が増えれば増える程充実するオタ活

新しい知識を得たり新たなジャンルに足を踏み入れたりするたびにいつも思うけど、オタク活動って“知る”が増えれば増える程楽しくなるからやめられない。ジャンル:絵画はマネとモネが別人であることを知ったのすら最近なレベルのヒヨッコだけど、これを機にたくさん勉強していきたくてワクワクしている。先週も美術館に行ったし、来週も行く(オタクすぐ現場に行く説)。そして、話飛ぶけど、SexyZoneさんと美術という組合せとてもよくお似合いなのでそういうお仕事これからどんどん増えたら嬉しい。ジャンルのクロスオーバー大好き!(マリちゃんの大塚国際美術館のお仕事、むちゃくちゃ興奮したよネ!)夢はジャンジャン見なさい、思ってれば夢は叶うよって三浦徳子御大並びにSexyZoneさんから教えてもらったから、結びにオタクの夢を書いてみました。

 

 

余談2:シンメとコンビの違いとは?

ジャニーズの他にお笑い芸人さんも好きなので、“シンメ”と“コンビ”の違いって何だろう?ということを時々考えているが、「ダブルフォーカルポイントになるか」みたいな観点で考えたらわたしにとってしっくりくる答えに辿り着きそうかも…とふと思った。歴代の伝説的シンメも皆ダブルフォーカルポイントとして成立しそうな気がする…。対して、お笑いコンビの場合は必ずしもダブルフォーカルポイントにならなくて良い気がする。どちらか一方を目立たせることで面白さが成立する(でもじゃあ目立つ方一人でいいかっていうと決してそうではなく、この二人だからこそのバランスが最高)みたいなパターンもあるので。…ちょっとこのへんはまだフワフワしているので、またいつか(?)